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REPORT

活動レポート

世界循環経済フォーラム(WCEF)2018レポート

更新日:2019年1月22日

北海道バイオエコノミー研究所は、環境省とフィンランド・イノベーション基金(SITRA)の共催で2018年10月22日から23日までパシフィコ横浜にて開催された世界循環経済フォーラム(WCEF)2018に参加・出展をしました。


WCEF2018では、世界64か国から約1,100名が一堂に会し、循環経済について世界の事例紹介やSDGsの達成に向けた循環経済の役割等について議論がされました。


今回、特に話題となっていたのは、やはりプラスチックを今後どうしていくべきかということ。オープニングの安倍晋三総理からのビデオメッセージでも、世界各国との連携を進め、海洋のマイクロプラスチック問題に取り組んでいくことの重要性が述べられていました。



SITRA President、ミッコ・コソネン氏はヘルシンキで昨年開催された第一回世界循環経済フォーラムから協働で取り組んできた成果に触れ、地球温暖化への取り組みはもはや待つことのできない問題であり、新しい経済活動への移行が急がれることを強調しました。「Future is uncertain」未来は不確実なものであり、WCEF2018で世界各国が集まり協議をすること、知見をシェアし「今」動き出すことにより、変えていけると参加者の積極的な対話を促しました。



原田義昭環境大臣は、資源循環が大事であり、循環をベースにした社会を構築していかなければならない状況にあること、また、数日前に環境省が立ち上げた「プラスチック・スマート -for Sustainable Ocean-」キャンペーンについても紹介し、世界で情報を共有し海洋汚染に取組んでいくことを主張しました。


フィンランド環境・エネルギー・住宅大臣キモ・ティーリカイネン氏もフィンランド政府が新しく取り組みを始めた「National Plastic Roadmap」について紹介し、世界は今後、循環経済なくしては生き抜くことはできないと循環経済の必要性について語りました。


また、横浜市内の中学生2人も登壇し、自動販売機型のリサイクル設備を設置し、不要になった洋服等を入れることによりテーマパークのチケット等が得られるシステムにするアイディアや海洋汚染が進むと世界中で愛されている寿司が安全に食べられなくなる可能性があること、環境に対する私たちの意識を変えていく必要があること等を巧みな英語スピーチで会場を盛り上げました。


北海道バイオエコノミー研究所は、2日間Expo Areaに出展しました。日本では古来よりススキが茅葺屋根の原料等として使われてきましたが、現在ではほとんど利用がされなくなり、お月見のお供えもの、秋の七草のひとつとして飾られたり、秋のモチーフとなったりしています。欧米ではススキはバイオマス資源作物として近年注目を浴び利活用と研究が盛んになっていますが、日本人ならば知らない人がいないくらい身近にある植物としてのススキと資源作物としてのススキを合わせ展示を行いました。


ブースでは南米でのススキ利用の可能性やラトビアでも植えられているススキの事例について等、お立ち寄りいただいた世界各国、また日本各地からの来場者の方と情報交換を行うことが出来ました。


その後の横浜ベイホテル東急でのレセプションでは、道産子でもある原田環境大臣に北海道バイオエコノミー研究所が行っている環境に優しいススキの取り組みをご説明し、大臣から頑張ってくださいとエールを送っていただきました。

2日目は、まず始めに、循環経済による持続可能なライフスタイルと消費者のための問題解決ということで、私たち一人ひとりが循環型のライフスタイルに移行するためにはどうしたらよいのか、個人と企業の役割を掘り下げていきました。


日本企業からは、メルカリ取締役社長兼務COO、小泉文明氏が「捨てるをなくす」新たな価値を作るプラットホームや、幼いころからリユース文化を育てるキッズフリマの取組み等を紹介しました。



続いては、ユニリーバ・ジャパン・ホールディングス株式会社代表取締役、北島敬之氏から、2010年に策定した「ユニリーバ・サステナブル・リビング・プラン」における目標8割達成の成果と2025年までに同社のプラスチックパッケージを100%再利用、再資源化、堆肥化を可能にする新たな目標が紹介されました。


日本コカ・コーラ社からは、技術本部副社長ゼネラルマネージャーエバリスト・サンチェス・フランシスコ・ジュニア氏が登壇し、2018年に掲げた、2030年までに、世界で販売する製品に使用されている容器(ボトルおよび缶)を100%回収し、すべてリサイクルする、廃棄物ゼロ社会の実現に向けた同社の取組みについて紹介しました。



最後の全体会合では、2050年に向けた循環経済の今後の展望や国際協力について議論がされました。閉会の挨拶において、あきもと司環境副大臣は、世界から集結した出席者に感謝の意を表し、気候変動に加え、資源制約と汚染問題に直面する中、循環経済は欠かせないものであり、日本は主導力を発揮し国際社会と協力をしていくと宣言し、盛会の中、WCEF2018は閉会しました。


(北海道バイオエコノミー研究所 大田)

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